PENKEからの連絡 投稿日: 9月 3日(日)18時42分19秒 まもなく山からラリーカーが下りてくるとの連絡があった。その後マシンは現地で待機しているキャリアカーによってサービスパークに搬送される。マシンの詳細なダメージはいまだ不明でサービスパークではメカニックがマシンの帰りを待っている。 リタイヤの報告を受けてから3時間余りが経過しようやくマシンの情報が入ってきました。一足先に戻ってきたクルーは着替えのため宿泊先へ戻ります。サービススタッフは車が帰ってこないと何もすることができず、やるせない時間が過ぎていきました。同じコースの上ではフォードのマシンが道をふさいでいたり、他にもスタックしたマシンがあるようです。すでにサービスパークではラリーフィニッシュを迎え、多くのチームがテントなどの撤収作業を進めていました。我々のチームも最小限の工具/設備とテント一張りを残してサービスポイントの片付けを始めることになりました。 |
||
競技車帰還 投稿日: 9月 3日(日)21時06分27秒 夜遅くに林道セクションからラリーカーが戻ってきた。このステージでは三台のマシンがリタイヤしており搬出に手間取ったようだ。マシンはロールオーバーしておりルーフやクオーターパネルの損傷が激しい。 マシン到着を心待ちにしていたスタッフたちもクレーンで吊り上げられたマシンを見て、衝撃を隠しきれませんでした。他のチームメンバーは総監督やマネージャーとともに打ち上げパーティの会場へ行っていたためマシンの到着時の様子を見ることはありませんでしたが、マシンを目の当たりにして、ほんとうにクルーに怪我がなくてよかったなぁというのが最初の感想。ボディに大量に付着した泥がさらに凄惨な雰囲気を醸し出していますね。 |
||
マシンを前にしてメカニックたちはいつもの表情に戻りてきぱきと作業を始めます。割れたガラスの除去に始まり歪んだボディシェルの修復、下回りの点検のあとはオイルの漏れや不具合を確認して問題がない範囲であるためオイルパンの点検とオイル交換を行います。ゆがんだバンパーは外され、修正されてのボディに装着されました。しまらなかったドアも閉まるようになり、トランクも元の位置に戻っていました。こりゃ2日目だったら明日は走れるんじゃないか!?・・・と思わせる力の入った作業でした。 |
||
修復完了 投稿日: 9月 4日(月)01時52分32秒 深夜になってマシンの修復が完了した。ある程度の移動ができるようにガラスをシートで製作し取り付ける。落下時に強打した下回りのダメージを修復。ガード類を元通り取り付けることもできた。キャロッセから提供されたロールケージはきわめて頑強でありボディシェルの変形はほとんどみられない。もちろんロールバー自体の歪みも皆無である。 ランサーはゆるい左コーナーでリア側から土手を滑り落ち横転。コンクリートの堤防にヒットしたあと河原に着地したようである。下回りの修復を終えてエンジンオイルを交換。慎重に各部の点検を終えて再始動を試みたところエンジンは一発でかかり駆動系にも異常はないようである。試しにサービスパーク内を試走したところ実にいい感じ。 これなら、なんとかフェリーに載せてもらえそうである。ただ優秀なだけでなく決してあきらめないサービスクルーとボディ修復に魔法のトンカチをふるってくださったアクセルの鷹田社長に感謝。 アクセルの鷹田社長がハンマーでポカスカ叩くと、みんなもとの形に戻ります。限りなく「ドラえもん」の世界に近いのです。ほんとうにすごいですヨ。 |
||
4時間余りの修復作業のあとランサーは元気良くサービスパークの中を走り回っていました。ライトも普通に点き、ミッション・エンジンともに快調。足回りもアライメントを調整したらいい感じです。アールエスタケダワールドラリーチームのメカニックはなんと素敵な連中なのでしょうか。なんだか笑えてきちゃいました。 帰り道に帯広の有名ラーメン店にサービススタッフと行き(帰り道にあったので入ったら、たまたま有名店でした)ひっそりと打ち上げのラーメンをいただきました。 ラリーの結果は残念なものでしたが3日間走り続けたことにより得られた情報や知識は膨大で、大変貴重なものでした。今後の参戦に向け、またひとつチームが大きく成長したのを実感しています。 我々のような小さなチームが世界選手権に参戦させていただき、すばらしい経験を通じて多くのことを学ばせていただけることをとても感謝しています。ありがとうございました。 |
||
帰路へ 投稿日: 9月 4日(月)01時52分32秒 帯広駅から列車が出発した。 今回のラリージャパン参戦は結果こそ残念なものに終わったが、製作にかかわったすべてのスタッフと現地に来てくれたチーム員たちにとって後悔のない気持ちのいい参戦であった。 ラリー直前まで夜を撤して作業をしてくれたメカニックたち。さまざまな形でバックアップをいただいたお客さまやスポンサーの皆さん。アールエスタケダワールドラリーチームがここまで頑張れたのは、そういった方々のお力添えがあったからに他ならない。 アールエスタケダもチームも、ここ数年かつてないほどの貴重な経験を積み、大きく成長することができた。我々は、ここで得た経験をお客さまからのご依頼に着実にフィードバックし、高度な技術としてお返しすることを、ここにお約束する。 こうして書き込みをさせていただいている間に列車は芽室(めむろ)駅を通過した。 新千歳空港までは「スーパーとかち」という特急に乗りました。行きは夏休みでごった返していましたが帰路は空いていて快適な旅路。このラリーウィークの中で一番ゆったりしたのがこの2時間でした。 すばらしい仲間たちと過ごしたラリーウィークは2006年の、たくさんある一週間のなかでも最高の一週間になりました。みんなありがとう。 |
||
RS.TAKEDA World Rally Team06/RS.TAKEDA CO.LTD